とりあえず理解してもらいましたが怖かったです
久々すぎたので少し頭で整理できていないところがありますが何とか修正します。予定していたシナリオにちょっと追加キャラしました。
オフィーリア邸に向かうヴィリオ。
(もういませんね…)
一人思う、しかしなにか違和感を感じるヴィリオ。
(望遠鏡か…見ていますね)
確実に一人いるのを感じていた。
ハユードの恰好で望遠鏡の向こうにいる存在を目に闘気を込め見る。
(へぇ…あの女の人か…どうやら少し怖い思いをしてもらいましょう…)
それは老人の恰好をして脅して逃がした30代の女性だった。
ヴィリオは一瞬で邸宅から500mほど離れた場所に屋根の上から望遠鏡で監視している所に数秒で着いたのであった。
気づかれず後ろに立ち右の手を銃を構えるようにして女性の頭に向けて脅す。声色を変えて。
「振り向くな、向けば殺す」
冷徹な言葉をかけ女性から情報を聞こうと考えた。
「ヒッ!…ああ…あああの時のじじい!…なんで…!」
「誰の依頼だ?」
「あたしは口が「堅いまま死んでもらってもいいんですよ?」…」
あくまで脅す。しかも相手の思考を先に読みかぶせるように話す。
「…王都の___ってやつだ…頼む命だけは…お願いします…」
ヴィリオはついに少し天の堕天のしっぽを妙な所で掴む。その名はゼルツの会話に時々出ていた人物だった。
「あなたに何を依頼しましたか?」
「は?何ってお姫様の警護をしている人物たちが本当に情報通りの布陣かってことだよ。あんたみたいなジジイがいるなんて聞いてなかったから報告した、でもそれだけだよ?」
「その___という方はなんと?」
「何も言わず見張りを続けろだけさ。なんたって報酬が黒の矢の拠点の情報だからね!こんな情報手に入れたら闇ギルドに高値が付くからね!」
可哀そうな話ではあるが黒の矢に拠点などない。強いて言えば二人だけだった時のダルクの旗程度だ。要するにこの女性は偽情報で踊らされている道化である。
「残念ですがそんなものありません」
「は?あんた黒の矢の構成員かなにかかい?じゃあ拠点の情報は?」
「偽情報、あなたに少しチャンスをあげましょう」
女性は最悪だ!と腹を立てていたがヴィリオの提案を聞こうとする。
「懸命な判断です。何…我々にその___という方を調べて情報を売りなさい」
「…報酬は?」
あくまで報酬を要求する。命のほうが大事なのを忘れているのかと思うヴィリオ。
「そうですね、まだ研究所も見つけていない新魔法です」
「どんなだい?」
「望遠鏡なんていらない眼にかける付与魔法です。扱いが上手になれば目利きの際もし宝石があれば偽物か本物か等すぐに分かるものです」
「あたしが宝石好きってよくわかったわね?」
(そりゃあイヤリングにネックレスに腕輪付けたりわからないほうがおかしいでしょ)
一人思うヴィリオ。
「ただ本当にそんな効果があるかどうか信じられないわね。報酬の前払いを要求するわ!」
(…なんか今までにないほどガメツイ人だな…まあいいでしょう…)
ヴィリオは頭に向けていた指を一応離し女性も強気に言ってはいたが脂汗をながしていた。
「で…そっちを向いていいのか?」
「いえそのままでいてください。今紙に魔法式を書きますので」
女性は抵抗もせず腰を下ろしその場に座る。
「あんたみたいな人間は約束を守ればちゃんと報酬くれるからね。これでも人を見る目はあるんだよ、あたし」
「それで騙されてますがね」
「うっさいわね!」
ヴィリオは女性の後ろから紙を渡す。
「今使ってみなさい」
「本当にそんなすごいのかねぇ…」
女性は詠唱と魔法陣を重ねていう。
「わが眼よ、その不実を断罪せよ!、ジャッジアイ!」
女性は眼に付与された感覚を感じ自分のアクセサリーを見る。
「えぇ!なにこれ!よく見ると綺麗に見えるだけのただの偽物じゃない!このネックレスだって!ちょっと!あの店ぶっ潰してやる!」
「効果がわかりましたかな?お嬢さん?」
憤っていてそれどころではなかった。ヴィリオが与えた魔法は成功例の一つである魔法の一つジャッジアイという。使う人によるが本当に女性は目利きがちょっと悪かったらしく自分の私物を偽物だと言い当てる。実際ヴィリオの目利きでも偽物とわかる部位はいくつものあり本当に偽物である。
「あーあ…50万がパア…マジ許さんあの店主…」
「実際その宝石作りが荒いし石も適当なんで…て魔法使わなくてももうちょっと見たらわかったでしょうに…」
「だって…まあいいわ…いつも騙す側が騙されたんだしまぁあの店主は許さんがいい魔法もらったわ。じゃあ王都の___の___を調べた後どうやって報告すればいい?ていうか顔見てもいい?」
いいでしょうといい、ヴィリオは一応ハユードとして対峙する。
「嘘…ハユード様…あたし死んだの?」
「その眼でみればいいでしょう?ギルドマークなり」
「そ…そうよね…うわ…本物の黒の矢のマーク…じゃあほんとにハユード様?あたしほんとはファンなの!じじい相手だと思って闇ギルドちらつかせたけれどほんとはハユード様に会いたくて!」
「すいませんが他のメンバーをあたってください、ゼルツは既婚者ですしオロチあたりはフリーですので、あと香水がきついです、何かわかったことがあればこれに念じなさい」
「このクリスタルは?もしかしてハユード様と直通?「ゼルツへの通信クリスタルです」チッ…」
「あなたのことは後でゼルツに報告しておきます。意味なく利用したり売ったりした場合はこの世から消えていただきますので」
「ごごごめんなさい…」
殺気を滲ませ圧をかける。女性も本気と察して冷静になる。
「そういえばあたしの名前はいってなかったはね?あたしはティラーノ・ロッツよこれでも昔は貴族だったんだけどね…」
「ティラさんでいいですか?地味に長いので」
「まあ悪い仲間たちからはそう呼ばれてるしいいわ。それよりハユード様!今度お茶でも!」
「結構です。では情報期待しています」
「ハユード様に期待…なんか燃えてきちゃうわ!じゃあまた今度会いましょ…ギャン…」
付与の魔法の解除も教えておいたのだがそれをせず動いたためズレが生じ不安定になり足を踏み外し空き樽の上に落ちて悲鳴を上げる。どうやら失神したようだった。
(ゼルツ、聞いていた通りですので)
(面倒だがカクナじゃなくてあっちもかぁ…てかその女必要だったか?)
(とりあえず監視の眼が付いたことにより___の行動が変わる可能性も必要でしたので)
(そういうこったろうと思ってはいたんだがな…まあいい…わかった…そいつがうっかりなことしねえでくれたらいいんだが…それだけが気がかりだ)
(ま、完璧な悪人じゃないだけマシです)
(それもそうだな)
二人は納得して通信を切る。
そして邸宅に行くとイルルと出会う。
「こんばんわイルルさん」
「こんばんわ!ヴィリオさん!あの婚約の身であるのですが。女性とのイザコザなどは私許しませんよ?」
「へ?」
「香水の匂いが…」
「ちっちがいます!断じて違います!」
「わかってますよ。理由があるんですよね?」
「はい!実は…」
目がいつもよりなぜか怖いイルルに事情を説明してなんとか理解してもらったのである。
イルルも理解してその___という人にについて考えていた。
「確かに腕はいいですがそんな素振りはないですけど…これは個人として言いますがそれが逆に怪しいと思える瞬間が同じ職業柄ありましたね」
「そうでしたか。ではやはり【天の堕天】自体偽りであり本当は違うギルドの____のようですね」
「そんなギルドあるんですか?」
「この世界で暴れていればふと耳にすることがあります。寄生型闇ギルドのことを」
とりあえず久々なので違和感しっぱなしでした。




