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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は世界を守る為に魔王になった 前編

作者: Raido  lupus

 父が勇者によって討たれた、おそらく父に悔いはないだろう

父の残した日記を読んだ事により、勝てる筈の戦いを放棄した理由も理解できる



 父は自身の犠牲により、世界が、自身の子供つまり僕の幸せな未来を作る事が出来ると

本気で信じ行動に移したのだ、だからこそ父を討った勇者を恨むことは無かった

むしろ、勇者がその後にどうなったか知った今となっては哀れにさえ思う



 世界平和など、人類が生きている限り長く続くものでも無いようだ

人は争いを嫌う癖に、争いで何でも解決しようと行動する、ただ単に争い方の規模や方法が違うだけのこと



 父の願った世界平和は、たった10日間の間しか実現しなかった

それも表向きだけの話だ、勇者を派遣したジグムント王国は領主のいなくなった

北の魔王の領土を侵略することを企みつつ、隣国のギルバート帝国邪魔立てされないよう、

裏工作に力を注いでいた

 


 僕が父の死を聞き、飛び出した魔王城に戻ったときには、勇者に慈悲をかけられ

殺されなかった怯えるばかりの魔族の兵士や、勇敢に戦い散っていった多くの魔物の遺体

首を切り落とされた父の遺体、そして王国による占領に抵抗したことにより守り抜いた

元の領土の内、3分の2の領土そして、仕えるべき主を失った魔族の民だけだった



 今でも父は、素晴らしい考えの持ち主だったと今でも誇りに思ってはいる

だが、人間に対しての甘さこそが父の美徳であり、汚点でもあったのだと考えると

とても残念だ、もう少し父が人間という生物のことを理解することが有ったのならと

もしものことを考えずにはいられない



 父が人間を信頼仕切っていたのには、僕自身にも責任の一旦がある

僕がまだ幼い頃、理性を失った魔物に襲われたところを通りすがりの冒険者によって

助けられたことが有る、その冒険者は人間だった



 人間と魔族は大昔のことが切っ掛けで対立関係にあった、ようは仲良く無いのだ

問題は、何故対立することになったのか誰も知らないということ

原因が解らないから、誰も解決出来ないし、しようとも思わ無かった



 大人達にとって対立することは、何の疑問も持たないこと、

ただ祖先が対立していたのだから対立しているに過ぎない、そして子供はそんな大人を

みて育つ、当然子共も対立を疑わないし、疑問にも思わ無かった



 だが、この人間は考え方が少し違った、同じ世界に生き、意思の疎通が出来るのならば

協力するべきだという、実際その考え方のおかげで僕はこうして死なずに済んでいるのだ



 僕はその言葉に感銘を受け、すぐに両親に話を聞かせた

すると驚くことに父も幼い頃に人間によって助けられたことが有ると言うではないか

僕は喜びと供に父に、魔族と人間が手に取り合うことは出来ないかと質問をした

それが全ての始まりだ、この時の僕は父が悩んでいたことなど知る由も無かった



 僕が産まれて間もない頃に、父の瞳に魔王の証である刻印が浮かび上がった

僕はその瞳に浮かぶ、鳥の姿を象る刻印の意味も知らず何度も父の瞳を見ては

誇らしく思っていた、刻印の意味を知ったのは父が魔王になることを決断した時だった



 魔族達は瞳に刻印が出ているものに仕える、それは魔族にとって自身を導いてくれる

道標のような存在だからこそ、本能が魔王に従うように働く、魔王の言葉は魔族にとって

絶対であり、魔族が魔王に反逆することは無い



 だからこそ、父は魔王となることで人間と手を取る未来を模索出来るのではないかと

考えた、その先に自身の子が平和に暮らせる未来を夢見て、人間と共存する世界

つまり、争いの無い世界、世界平和を目指した



 最初は人助けを積極的におこない、多くの人を助けた事で、

当初、誰もが新たな魔王の登場に怯えていた人間達の魔王を見る目は変わっていき

魔族と共に暮らすことに賛同する者も、増えていった



 だが、人間達の中には魔王の行動を心良く思わない物もいた



 ある日、王国内で火事が起き、ある屋敷に住む魔王と友好な関係を築くべきと国王に

進言していた伯爵家の人間が殺されたと噂が広まった



 王国は、この火事は魔王の主導によるもので、魔王は信用させた人間を殺し楽しむ怪物

なのだ、魔王に騙されるなと毎日のように繰り返し民衆に公言していた



 次第に、魔王が王国へ侵略企んでいるとに根も葉もない噂が王国中に広まった



 時を同じくして魔王の元に、行方不明になっていた魔族が王国の領土内で死体として

見つかったと知らせが届いた



 父に仕えていた魔族たちは、王国の人間の仕業に違いない、今すぐに人間を殺すべきだ、

そう言って、王国を滅ぼす事を進言する



 だが、父は王国を滅ぼすという意見が出る度に首を横に振り、王国と交渉するようにと

部下の魔族に伝え、王国の返事を待つ



 王国からは、魔王率いる魔族達に対して戦争の宣言が返事として返ってきた時、

父は何かの間違いだと言い、すぐに受け入れられず対応が遅れてしまった



 王国が勇者の召喚に成功したと知らせが届き、もう何もかもが手遅れになった頃、

どういう訳か父は人が変わったかの用に、魔物に人間を襲わせる用に指示を出した



 僕は父の突然の行動に驚きはしたが、突然行方をくらませた母の事で頭が一杯に

なっていた、父に聞いても、声を震わし、まるで自身に言い聞かせるかの用に、

母は少し遠くに出かけただけですぐに戻ると言うばかり



 僕は今探しに行かなければもう母と会うことが出来ない気がして、魔王の側近の内

僕とも仲が良かった魔族の騎士に事情を説明し2人で、父の目を盗み魔王城を飛び出した

長い間、魔王城の周辺を探したが母を見つけることは出来なかった



 父が勇者に討たれたと噂を聞き、母の捜索を中断して魔王城に戻った

生き延びた城の兵士の話によると、父は勇者に子供達が笑顔で暮らせる世界にしてくれと

頼み首を差し出し、勇者は一瞬の途惑いの後、静かに頷いて魔王の首を切り落とし、

残った兵士を殺すことなく、魔王の首をもって戻ったそうだ

 


 だが、勇者が王国に帰ったという知らせが届くことは無かった



 僕は父の居ない城で、父の遺品から日頃付けていた日記を発見する

そこには父の考え、人が変わったかのようにに行動し始めた理由、僕へのメッセージが

書かれていた

まだまだ小説のいろはを独学中ですが書きたい物語をかけるよう頑張ってみました

中編へと続くのでそちらも読んでいただけると嬉しいです

少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです

読んで頂いた皆様ありがとうございました

評価の方をいただければ今後の励み改善につながるのでしてもらえると助かります

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