表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

プロローグ 逃走

「姫様」


私を呼ぶ声がする。


「はやく・・・さい・・・」


きっと夢の続きだろう。浅い眠りと深い眠りが交互に訪れ、はっきりとした夢とおぼろげな夢を交互に見るというのは有名な話だ。


「姫様ッ!起きてください!」


夢の続きに行こうとした私は現実に引き戻される。


「なによジュリアン、まだ朝の9時だわ」


「来月から王立学園での生活が始まれば、毎日7時には起きなくてはなりません」


「じゃあ学校なんて入学しないから寝てていい?」


「何を馬鹿なことを・・・さっさと朝食を済ませてください、ルイス様」


付き人のジュリアンに諭され、身だしなみを整え朝食に向かう。私は、小国の姫にして魔法の才能を見出され、王立学園の魔法科で研鑽を積むことになっている。そして、その立場ゆえに今まで許されてきた自堕落な生活を学園に入学するまでに叩きなおさないといけなくなったのだ。


「何よ急にマナーがなんだって・・・」


「いつかは学ばなければならなかったことです、諦めてください」


「むー・・・」


「もう一か月しかないのですよ、小国とはいえ一国の代表として王都に行くわけですし、学園では私が一緒にいるというわけにもいきません。やはり最低限は身につけていただかないと」


「わかってるわよ、もう」


頭ではわかっているが、やはりめんどくさい。


「どこに行かれるのですか」


「お花を摘みに、よ!」


「それは申し訳ありません、お待ちしております」


当然ながら嘘だ。たまにこうしてジュリアンから離れたところで、屋敷から逃げて遊んでいるのだ。今日もうまく逃げおおせたことだし何をしようか。思いつくまでいつものルートで散歩でもしよう。そうして今日も今日とて森を抜け、奥地の花畑に向かう。とても陽当たりがよく、昼寝するには最適なスポットなのだ。しかし、今日はいつもの場所には先客がいるように見える。。


「あれ?誰かいるの?おーい」


返事はない。動物か何かが寝ているのだろうか。


「聞こえるなら返事してよ、もう」


先客の存在を確かめるべく近づいてみる。


「ヒッ・・・」


そこには、全身に謎の機械を装着した、血まみれの少女が横たわっていたーーー



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ