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プロローグ
「なぁシン、お前……まさか売り物に情を覚えたのか?」
冷たかった世界が暖かくなった、そう思った矢先の出来事だった。
売り物とは僕のことだ。僕のせいで大切な人に迷惑がかかるのは、もう嫌だ。
そんな言葉、そんな考えが頭の中に溢れ出る。
僕が居なくなれば、僕が素直にこの居場所を明け渡して、捨てれば、みんなが幸せに成る。
声を出そう。そう思った瞬間に、僕は抱き締められた。
「言ってやるよ……!これは俺の大切な家族だっ!!だからなぁ!!絶対に手なんかださせねぇぞ!!」
ただ僕を守るように、そんな優しい叫び声だった。
僕が失ってしまったもの。僕にはもう手を掴む事すら許されない。
それをもう一度、与えてくれた。もう一度、掴み離さない、チャンスをくれた。
それだけなのに、ただの言葉なのに涙が溢れそうになる。
初めは確かに良くはなかった。でも僕はもう一度願おう。
「僕は……ここに……いるっ!!」
僕の想いを乗せた言葉
それが僕の、僕ら家族の始まりを思い出させていく
はじめまして!!
作者のたかやんと申します。
かなり久しぶりの連載投稿ですが、頑張っていきます。