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ミントが答える。
良かった。
いつものミントだよ。
私は少し落ち着いた。
「どうしたの? 何をしてるの?」
私の質問にミントは首を傾げた。
「何でもありません」
ミントが言った。
立ち上がって寝室を出ていく。
私はホッとした。
何だろう、今の?
長く使ってるから故障してしまったのかしら?
それから今日まで、ミントの様子は一度もおかしくならなかった。
大丈夫だよね。
もし故障なら、ロボット販売店に行って修理しないといけない。
でも、この様子ならその必要はないみたい。
良かった、良かった。
会社へ行く準備が出来た。
服はミントがコーディネートしてくれたもの。
かわいい。
よし。
「じゃあ行こう、ミント」
私はミントといっしょに家を出た。
防犯的な意味合いもあって、通勤通学にロボットを連れていく人は多い。
私もそうしてる。
ミントが居てくれると、とても安心。
会社に着くとミントは家に帰る。
そして、私の終業時間には迎えにきてくれる。
私は健康とスタイルアップのために、朝は一駅分歩いてる。
火星のドーム内の空は当たり前だけど快晴。
人工の空だから。
コンピューターで管理された心地よい、そよ風が吹いてる。
私とミントはビルの建ち並ぶ街中を歩いて、駅に向かった。