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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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3話

むつは街路樹の影から、そっと顔を出すと目を細めていた。何となく、風が吹いてくる箇所が分かる気がするが、そこに何があるのかまでは見えない。こんな時、能力がばっちり使えれば雪なんてあっという間に、溶かしてみせるのにとむつは思っていた。


そして、そう思うと少し前の事が思い出された。その時は、確かにこの手のひらの上に、炎が出現していた。


よろず屋という怪異専門の何でも屋という、怪しい会社に勤めるだけあって、むつには他の人とは違う物が備わっている。その能力が使えなくなるような出来事もあったが、この前は確かに自分の意思で、以前のように炎を出現させていたはずだ。


あの日以来、使えるかどうかを試していないむつは、街路樹に寄り掛かって座り込むと、じっと手のひらを見た。寒さで真っ赤になっている手は、自分の物ではないようにも見えた。


手のひらを見ている事少し、何の変化も現れないと分かったむつは、すっぱりと諦めたのか、気にする事もないかのように、ジャケットでごしごしと手をこすった。すると摩擦で少し暖かくなり、指が動かしやすくなったようだった。

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