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2話
むつと祐斗は椅子に座って西原を待つ事にし、山上はソファーでもう少しごろごろしようかと戻っていった。
「…湯野ちゃん?おい、湯野ちゃん?」
山上の声に、むつと祐斗は慌ててソファーの方に向かった。颯介はソファーに座っているが、顔色がよくない。急激に気分でも悪くなったのか、山上が心配そえにおろおろしている。
「颯介さん?」
珍しく山上が狼狽えていると、むつはそんな山上を突き飛ばして、颯介の前で膝をついた。
「颯介さん、どうしたの?」
「あぁ…ちょっと気分が悪くてね…」
「少し横に…いや、家まで送ってくよ」
「むっちゃんがかい?この天気の中でなんて…自殺行為に近いんじゃないかな」
「…馬鹿にしないでよ。運転上手いし‼」
吠えるような言い方に、颯介は苦笑いを浮かべたが、その顔色は冴えない。
「湯野ちゃん、むつの運転なら大丈夫だ。俺も付き添うから、今日は終わりにして帰ろう。な?やっぱり体調もよくなかったんだな」
山上が優しそうに言うと、颯介は渋々といった感じで頷いた。話は決まったとばかりに、むつは颯介と山上のコートを持ってきて祐斗を引っ張っていき離れた。




