2話
「………」
むつも颯介もが外を眺めながら、何やら考え事をしていると察した山上は、そっと窓から離れた。事務机の方に行くと、祐斗も外の様子が気になるようで、じっと見ている。
「あ、社長…」
「この天気はヤバいな。最初から休みにしておけば良かったって思ってる」
「そうですね…でも、どうでしょうね。何も無ければいいんですけど…」
「………?」
「むつさんが…あ、はい、お電話ありがとうございます、よろず屋です」
何も無ければいいと言っていた矢先、電話が鳴ると祐斗はすぐに出た。まるで、待ち構えていたかのような素早さに、山上は少しだけ驚いていた。
「あ、はい…居ますよ。どうしたんですか?はい、はい…えっ‼何で…知って…えっ!?え…はぁ…はい…あ、はい…分かりました。伝えておきます。はい、失礼します」
電話が鳴ったからだろうか、むつがいつの間にかやってきていた。祐斗はちょうどいいと、むつを手招きして呼んだ。
「…西原さんからでした。湯野さんの弟さん、捜索願い出されてるみたいで…大丈夫かって…」
「心配しての電話?」
「えぇ、昨日の今日ですから。それと…西原さんがそれっぽい人を見掛けたようです。でも、女の子と一緒で…それも中学生くらいに見える子だったらしいんで…」
「…まさかの駆け落ち?」




