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2話
むつは山上とヒーターの前で、毛布を床に敷いて寝転んでいるし、祐斗は何かする事があるのか、パソコンで作業をしているし、颯介はソファーでうとうとしている。
仕事もなく、のんびりとしている4人ではあったが、がたっがたっと窓が鳴ると、むつはすぐに飛び起きた。その際に、山上の背中に手をついて体重をかけてしまったせいか、ぐえっと山上の変な声もした。
「あ、ごめん…」
「急にはやめろ。重たい…で、どうした?」
「風、強くなってきた…」
「吹雪いてきたか?よっこら…せ」
起き上がった山上は、カーテンを開けて外を見た。むつもその横に並んで、外を眺めている。びゅうびゅうと風が吹いて、雪が舞い上がり視界はかなり悪くなっている。
「…帰れない、ね」
「帰れそうにねぇな…」




