表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
78/1090

2話

「…むっちゃん?」


マグカップを持ったまま、むつはゆっくりとうつ向いていった。祐斗はむつの隣に居るからか、どうかしたのかと顔を覗きこんだ。


「聞いて良かったのかなって…だってね、お家の事って言いにくいでしょ?あたしは言いにくかったもん。なのに、颯介さんにあれこれ聞いちゃって…悪い事しちゃった。ごめんね」


「そんな事は…俺の方こそごめんね。こんなに2人に心配かけて。歳上のくせに、みっともなかったね」


「ううん、そんな事ない」


泣いたのかと思ったが、泣きそうというくらいで堪えているむつがゆっくりと顔を上げた。


「…いや、みっともないよ。実は今朝さ、仕事行きたくないなーってだらだらしちゃってね。2人が心配してくれてるのは分かってても、もし弟が来たら嫌だなって思ってるのもあって。それで2度寝なんかしちゃって…そしたら、管狐には噛まれるし大遅刻だしでね」


颯介が鼻先を撫でていると、するっと出てきた管狐が首を傾げるようにして、颯介の手の動きを見ていた。


「たまには、そんな日だってあっていいだろ?それに、こうして来て話をしてくれたんだ。みっともない所なんか、どこにもねぇよ」


「そうですよ。こんだけ雪も積もってて寒いのに、会社休みにならないのか、って思うと俺も朝は憂鬱でしたよ」


「あ、あたしもそれは思った。でも来て良かった…颯介さんからお話聞けたし、遊べたし。何か、こうして皆でご飯食べてゆっくりするの久しぶりな気もするし」


「そうだね。俺も…話せて良かった」


颯介が笑みを見せると、むつと祐斗はほっとしたような顔をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ