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2話
「で、弟さんが家出したのっていつだ?」
「そろそろ1週間経つかと…俺の所に来てないかって連絡があったんですが、俺と弟は…仲良いわけではありませんし…」
「そうか。で、心配されるような弟さんっていくつだ?母親が違うなら、やっぱり若いのか?」
「今、19歳です。高校3年生で…」
「ふぅん、だぶってるのか?」
「いえ…身体が弱くて入学が遅れたんです。だから、帰ってこないとなると、心配するようでして…」
ふぅんと呟いた山上は、むつの残したラーメンを食べ終えて器を置いた。祐斗も食べ終えていて、甘くして貰ってあるカフェオレに、口をつけている。
「そんなに病弱なの?それなら、帰ってこないってなると、心配もするわよね…それで、颯介さんも心配して元気なかったんだね」
理由が分かった事に、むつは少しほっとしたようでもあるが、颯介の弟が家出してるという事も、やはり心配は心配のようだった。




