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2話
「むっちゃん…社長と祐斗君も」
「うん?あ、ちょっと待っててね」
颯介はろくに手をつけないまま器を置くと、3人の顔をゆっくりと見た。返事をしつつむつは食後のと、コーヒーをいれに立ってしまった。
「…ちょっと暖房もゆるめてきたからね。寒くなったらまた言って」
「…お前が1番寒がりだろうが」
コーヒーをテーブルに置いたむつは、颯介にお待たせ、と声をかけた。コーヒーと一緒に灰皿も置かれると、颯介が少しだけほっとしたような顔をした。むつはそれに気付かないふりをして、コーヒーを一口飲んだ。
「颯介さん、何があったの?」
「あぁ…悪かったね。最近むっちゃんと祐斗君にもだし、社長にもご心配おかけしたようで…」
「俺はそんなに。まぁ何かあって話せるんなら話してくれるか?そうすりゃあ、むつと祐斗も落ち着くからな」
颯介は頷くと、コーヒーの一口飲んだ。
「えぇ…まぁ、その…大した事じゃないんだよ。ただ、弟が家出してるみたいで…」




