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11話
「最後に会った時は凪は10歳になる年だったんだ。そこから、まぁ約10年で今は19歳。家を出た時が、4歳だったかな?」
「1回目は6年ぶりの再会で、今回がそこから9年、まぁ10年空いてて…颯介さんは実家を出て…16年?颯介さん34歳だったよね?」
「そうだよ」
むつは計算が苦手なのか、両手を使って指を折りながら、ぶつぶつと計算をして颯介に確認を取ると、あっさりと颯介は頷いた。
「34歳!?」
「お、もうそんな歳か?出会ってから10年くらいだと思ってたけど、意外と俺らの付き合い長くなってたな」
「もう…社長が適当にそんな事言うから、あたしもこんがらがったじゃんよ」
「悪い、悪い。いなぁ…な。仕方ないだろ?時の流れの感覚ってのが、おっさんになると分からなくなるんだ」
からからと笑う山上を呆れたように見つつ、おっさんだからじゃないから、時間の流れの感覚がいまいち人とずれている事を知っているむつは、何も言わないでおいた。