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11話
せっせと粥を頬張ったむつは、おかわりした分もきちんと食べきると、ふうと息をついた。腹は満たされたのか、満足そうな顔をしている。そんな顔を見るのは久しぶりの事で、颯介と山上は顔を見合わせて笑っていた。
「ご馳走さまでした。さて…」
「腹も膨れたし昼寝か?」
「ちっがーう‼お話しようよ‼」
「お?何の話だ?」
楽しい話か?と山上は、ちゃかしながら鍋を片付けに行った。戻ってきた時には、やかんを持ってきて囲炉裏にかけた。湯飲みと急須、灰皿を持ってくると祐斗を押し退けて、むつの横に座った。突き飛ばされる形となった祐斗だったが、文句は言わない。その代わり、恨めしげな目をしている。それを見て、颯介は笑い、らせつは驚いたように目を真ん丸にしていた。