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11話
「むつ、そのちびっ子と一緒に来い」
ちびっ子と言われたらせつは、不愉快そうに眉間にシワを寄せたが、身体が小さいからか、何も文句は言わない。一緒に来いと言われても、囲炉裏の方にらせつを連れていけるはずもないと、むつが困っていると、やってきた祐斗が盥を持って外へ出ていった。そして、たっぷりと雪を入れて戻ってくると、こいでと言った。
盥は大きく、らせつくらいなら座れるような大きさだ。囲炉裏からは少し離して置くと、らせつはその中に座って待ってるようにと言われていた。
「祐斗はやっぱ子供の扱いが上手いわよね」
「関係ないと思いますけど…それより、社長がお粥作ってくれましたから、少し食べましょうよ」
「そうする…動いたし、夕飯抜きだったもんね。さすがにお腹空いちゃったわ」