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11話
「あ、むつ起きた」
「…おぉ、むつ起きたか?おはようさん」
「おはようございます。むつさん慌てて…どうしたんですか?お手洗いはあっちですよ?」
「むっちゃん、おはよう。寝癖酷いね」
部屋のあちこちから、それぞれの声が聞こえてくるとむつはそのたびに、声のする方をむいた。らせつもだが、颯介と山上もちゃんと居る。
「あ…うん…おはよう、ございます」
起きるのが最後だった事も、1人で慌てた事も恥ずかしくなり、挨拶をする声がだんだんと小さくなっていた。
何やら、恥ずかしそうにしているむつに颯介は、おいでおいでと手招きをしている。何かは分からないが、むつは颯介の元へ行き隣に座った。