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2話
「…起こしてくれる人居て良かったよね。この時間でも来てなかったら、鬼電してる所だったわ」
「むつさんは湯野さんの住所調べて乗り込むでしょ?電話じゃ済まない気がします」
腹が空いたのか、祐斗はスナック菓子の袋をあけて、ばりばりと食べている。山上もそれをつまみながら、コーヒーを飲んでいる。
「乗り込むわよ、そりゃあ。心配だもん。インフル流行ってるでしょ?あれ、なったら大変そうだもん…あたしはまだなった事ないけど」
「俺もねぇな」
「社長は体調崩した事さえないんじゃ…」
「ねぇな。んな事より…菓子じゃなくて、飯にしねぇか?腹減ったぞ。むつ、出前取ってくれよ」
「はーい。ご馳走になりまーす」
「…湯野ちゃんと祐斗は何にする?」
「あ、いいんですか!?ありがとうございます」
「お言葉に甘えて…ご馳走になります」
むつは出前表を持ってきて、どこのにしようかと颯介と祐斗と一緒に店選びから始めていた。山上はそれは任せる事にして、ヒーターでシャツを乾かしていた。




