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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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10話

いったい何故、埋まるような事になったのか分からないが、むつは指に力をこめて懸命に雪を掘っていく。手袋に雪がくっつき、溶けてくる。それが染み込んできて、指先が冷たくなっていく。だんだんと、力が入らなくなっていき、むつは諦めそうになった。だが、放置しておく事など出来るはずがない。掘っていくにつれ、雪は固くなっていく。どこまで掘ればいいのかと、泣きそうになっていた。


「もうっ…颯介さぁんっ‼社長ぉ…あたしにばっか祐斗の面倒を押し付けないでぇ‼」


文句を言いつつ掘っていくと、雪ではない物に触れた気がした。だが、暗くて見えない。かじかんで動きにくい手の代わりに、口を使って手袋を外すと、掘ってきた先に手を入れた。すると、つるつるとした物に触れた。感覚はほとんどない指先だが、雪とそれ以外の物くらいは分かる。ビニールのような触り心地は、祐斗が着ていた上着じゃないだろうか。そう思ったむつは、後少しだとやけくそのように雪を蹴散らしていく。

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