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2話
雑ではあったが、かまくらが出来上がるとむつは中に入って、得意気な顔をしていた。その後で、祐斗も無理矢理入れられて、むつとぎゅうぎゅうの詰めの状態にされていた。満喫したのか、むつと祐斗は出てきて山上にも入るように言った。むつや祐斗よりも背の高い山上は、膝を抱えるようにして座って入っており、それを見て颯介も笑っていた。
本当に年甲斐もなく雪遊びをし、冷えてきたと言うと4人は、ぞろぞろと事務所に戻った。暖房をつけっぱなしにしていたからか、室内はむせかえるような暑さがあった。
「あぁ、寒っ‼」
「コート脱いでハンガーにかけて、乾かした方がいいですよ。あ、ヒーターも置きましょうか。コーヒーもすぐに用意しますね」
「ううっ…シャツの中の雪が…つべてぇ」
むつは4人分のコートをハンガーにかけて、カーテンレールにかけた。雪まみれとなったコートは、しっとりと冷たく濡れている。




