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10話
「ま、冗談はさておき…ちか達ってさ妖に詳しいでしょ?あたしら以上に専門家だと思うの。情報量も多いだろうし。そんな人たちが、わざわざゆっくりと行った。何か裏がありそうじゃない?」
「裏っすか?本当は来ないつめりとか?」
「それはない」
きっぱりと首を横に振ったむつは、木にもたれて腕を組んでいた。汗もすっかり引いて、寒くなってきてても良さそうなのに、むつはマフラーをゆるめたままにしていた。
「…だからさ、後者な場合。その何かがちか達の本当の目的かな、って思ったりもしたの」
「どういう事っすか?」
「あんた…自分で言ってたでしょ?操られてるんじゃないかって」
「あ…」