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10話
「そこまで分かってんなら分かるでしょ?」
「え?え、えっと…」
じろりと睨まれた祐斗は、どこかに隠れたい気持ちになった。こんな目を向けられても平然としていた管狐は、やはり凄いやつなのかもしれない。祐斗はそんな事を思いながら、ちらっと管狐に目を向けた。
「つまりさ、何かがあったのよ。雪女に。それはさ、きっと…雪女が元々持ってる物なのか、誰かにされたものなのか…あたしは後者な気がしてる」
「え?」
理由を言うのかと思ったが、むつはぷいっと祐斗から視線を反らした。見た先には管狐が居る。
「場所を変えよ?管狐お願いね」
ここでゆっくり話す気もないが、歩きながら話す気もないのか、管狐がするすると雪の上を移動し始めると、むつは後に続いた。