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2話
「やっべ…す、すみません‼大丈夫ですか?」
「ご、ごめんなさいっ‼大丈夫ですか?」
「すみませんでした」
山上が謝ると、すぐに駆け寄ってきたむつと祐斗もそれぞれ謝った。雪玉を顔面で受けたのは男で、すぐには何も言わずに雪を払っていた。
「あ…あれ?」
「湯野ちゃん!!」
「湯野さん」
顔についた雪を払い顔を見せたのは、やってこないと心配されていた颯介だった。颯介は軽く笑うと、雪まみれとなっているむつと山上、汚れてはいない祐斗を見た。
「…3人して、何してるんですか?あぁ、むっちゃんこんなに雪まみれになって。ほら、手も真っ赤じゃないか。霜焼けになっちゃうよ?」
「かまくら作ろうと思って…」
「…かまくら?これだけの雪じゃ…」
少し得意気にむつが指差した方を見た颯介は、思わずといった感じで吹き出した。祐斗と山上もそっちを見ると、道路の雪は除雪作業でもされたかのように、綺麗になくなって大きな雪玉が出来上がっている。




