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１０話
「湯野さんを心配して、なんじゃ…」
「それもあると思うけど…まぁ…うん…社長が話すとは思えないけど、捕まえて聞いたらいいのよ」
むつは何か心当たりでもあるかのような言い方をしていたが、祐斗にはさっぱり見当がつかない。
颯介と山上の付き合いが、意外と長い事は分かったが、それ以上の事は結局何も分からない。どんないきさつで知り合ったのか、むつが山上について何を知っているのか。それを颯介も知っているのか。祐斗は働きだしてから、１年は経っているというのに、知らない事ばかりだった。
「…社長の事、むつさんは何か知ってるんですよね？元刑事だったって事以外に」
「うん？まぁね…」
