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9話
アラームの音で目を覚ました祐斗は、すでに起きていたかのように寝起きがよかった。さっさと身支度を整えると、コンビニで買ったパンを開けていた。
「寝起きですぐ食べれるって若い証拠よね」
「寒い所行くんすよ?食べておかないと、体温維持にエネルギー使うんですよ」
「ちょっと痩せるかしら?」
「痩せません。少し何か口に入れてくださいよ」
「もー…お母さんみたい」
「湯野さんが居ませんからね。俺が湯野さんの分もフォローしていかないといけませんから」
「うん、あたしの分も頑張って」
タバコの火を消して、ごろんっとベッドに寝転んだむつはどこか疲れた様子を見せていた。