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9話
祐斗も風呂を済ませて、がしがしと髪の毛を拭いている。むつは拭くのをやめたのか、タオルでくるんで横になっていた。枕元には、ちょこんっと管狐が居る。本当にむつになついているようで、べったりとくっついている。
「…仲良しっすね」
「羨ましい?」
「いえ、全然」
「あっそ。明日は始発で行くわよ」
「了解っす。で、相変わらず湯野さんからも社長からも連絡なしっすか?」
「ない。あのばかちんどもがぁ」
携帯のアラームをセットしたむつは悪態をついて、さっさと布団に潜った。まだ眠いわけではないが、横になって少しでも身体を休めたい気分だった。