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2話
「祐斗、凄い‼凄いよ‼そんな特技あったんだ‼」
「…むつさんが下手すぎるんですよ。むきにならなかったら、的がデカい分…当てやすいですよ?」
「おぉ…祐斗頼もしい‼あたしの敵を打ってくれ‼玉はあたしが作るからね」
散々、山上から当てられたむつは髪の毛もコートも雪まみれとなっている。かなり寒いはずだが、楽しそうな笑顔を見せていて、せっせと雪玉を作っては祐斗の足元に置いていく。その合間に、むつも山上に向けて雪玉を投げていくが、なかなか当たりはしない。それでも、むつは楽しそうだった。
「あーん…当たらない飽きてきた」
むつはそう言うと、祐斗から離れていきまだ雪がたっぷりと残っていて綺麗な所に行った。そして、小さな雪玉を作ってころころと転がし始めた。少しずつ大きくなっていくと、それを押しながら雪玉を大きくしていく。




