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9話
「あ、あぁ…そ、そうかい?」
「それで、何があったんですか?やっぱり実在するって事ですよね‼」
雪女が存在する事を分かっているむつは、何があったのかを聞きたいようで、何やら嬉しそうな顔をしている。男は、話してもいいものかと悩んだように店員やら、他の客の方に目を向けていた。
「まぁ…聞きたいっていうなら…」
「そういう研究もあるんだな…」
むつの熱意に押され気味だった男たちも、むつがしつこく聞きたいと言うからなのか、まぁいいかと少しずつ話を始めた。
男たちがぽつぽつと話始めると、嬉々として聞いていたむつの顔がだんたんと無表情になっていき、怒ったように目が細くなっていった。