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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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9話

「…す、すみませーん…先程、予約した宮前と申しますが…」


薄暗い室内に、じっとりとした絨毯を踏み締めて、カウンターまで行ったむつは誰も出てこないからか、おそるおそるといった様子で声をかけた。


「…さ、寒気がしますけど」


誰かが出てくる気配はないが、祐斗は潜めた声でむつに話し掛けた。むつも同感だと、こくこくと頷いている。


「あたしも…何か、ちりちりする」


「やばい所じゃないっすか?」


「…でも他にないわよ?この近く」


「だからって、こんなお化けや」


祐斗が慌てて口を閉じたのを見たむつは、そっと辺りを見回した。いつから居たのか、カウンター越しに老婆が立っている。足音もさせずにやってきたのかと思うと、これはこれでぞっとする。


老婆は無言でむつをじっと見ている。気圧されるように、むつは少し後退したが、何も悪い事をしたわけでもない。

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