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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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9話

20分も待つ事はなかったが、それなりに電車を待ち乗り込んだ頃には、むつは寒そうに、かちかちと歯を鳴らしていた。


「コートは暖かそうですけど…重ね着はあんまりしてないんですか?」


新調したというファーのついている、もこもこのコートはお気に入りなのか、仕事だというのに着てきている。見る分には暖かそうだが、着てみるとそうでもないのかもしれない。


「着てるつもり…こんなに寒いなんて」


ぶちぶちと文句を言いながら、むつは鞄を少し開けて手を突っ込むと、マフラーと手袋を引っ張り出した。


「風邪ひかないでくださいよ。西原さんが、カイロも買ってくれてますから…使いますか?」


「まだ大丈夫…ってか、先輩そんな物まで買ってきてくれたんだ。お礼がてら、連絡しとくよ」


「そうしてあげてください」


自分がするよりも、むつからの連絡の方が西原も喜ぶだろうから、と祐斗は思ったが口には出さなかった。それにしても、最近の西原は、冬四郎の代わりにむつの面倒を見ているようにしか思えない時がある。変な関係だなと思いながらも、本人たちが幸せならそれでいい事だった。

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