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9話
「えっ‼」
驚きと共にショックを受けたような顔をしたむつは、最弱だと呟いていた。そういう強さが欲しいのかと、西原は首を傾げるしかなかった。
「いいから…ほら、少し寝ろ」
頭を引き寄せられたむつは、大人しく西原の胸に顔を寄せていた。ひんやりとした身体のむつとは対照的に、西原の身体は暖かい。
「…祐斗君とこんな事したら怒るからな」
「祐斗じゃ…上に乗ったら足折れちゃうよ」
「かもしれないな」
むっとしたような顔で、ぱちんっと西原の太ももを叩いたむつだったが、大人しく西原にもたれかかった。そして目を閉じて、暖かい西原に包まれて少しの間だけ眠りについていた。