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9話
「…変な時間にご飯だったでしょ?お腹空いたりしてない?」
むつと祐斗に付き合って、おやつのような時間に食事をしたものの、夜も遅くなってくれば少し腹も減ってくる。西原は、曖昧な返事をした。
「軽く作るよ…時間大丈夫なら」
「…まぁ俺は大丈夫だけど…」
まだ荷造りも終えていないのに、長居してもいいのかと西原は悩んだ。だが、むつからの折角の申し出だ。気を遣って遠慮した方が、返って気を遣わせるような気がした。
「なら、頼もうかな…でも俺も手伝うよ」
「…そう?じゃあ…お願いしよっかな」
くるくると袖を捲りながら立ち上がったむつに続いて、西原はジャケットを脱いでから少し楽しそうに、キッチンに入っていった。