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9話
リビングに入った西原は、開いているドアから寝室の様子が見えたのか、あっと声を上げた。
「…荷造り中か?」
「うん。颯介さんからも社長からも連絡ないからね。探しに行く事になると思うし」
「そっか…にしては、多くないか?何日行くつもりなんだ?」
「んー…分かんないから、多めに」
「ホテルで洗濯させて貰えよ」
「…まぁそれもそうだけど。どうなるかは分かんないでしょ?」
コーヒーをいれたむつは、灰皿も持っていくとソファーに座った。何故か落ち着きなく、立ったままの西原に、座るようにとソファーをぽんぽんっと叩いた。