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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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はじまり

「…管狐、俺は高校を出たら家を出るよ。お前、一緒に来てくれるか?」


男は足を止めずに、胸元から顔を出している管狐に声をかけた。すると、管狐はするすると出てきて男の肩に上った。そして、すりすりと頬を押し付けた。


「そっか…良かった。なら、なぎを見付け出さないといけないな。あいつが跡取りになるんだ…そしたら俺は…俺はどこに行こうかな?どこへでも行けるか」


くすくすと男は楽しそうに笑うと、すっと目を細めた。柔和な目元は一転して、険しくなっていた。管狐は特に気にする様子はないのか、男の頬を短い前足で、とんとんっと叩いた。


「なぎが居たのかい?」


管狐はするすると肩から腕をつたって、雪の上に降り立った。足が短く、ぼすっと雪に埋まってしまいそうではあるが、沈み混む事はない。まるで体重など、微塵もないかのようだった。


「…案内、頼むよ」


男の方を見ている管狐は、小さな頭を上下させて分かったと言うと、雪の上をとっとっとっと走り出した。男はそれを追い掛けて、ぼすっぼすっと雪の中に埋まった足を引き抜いては、踏み出してを繰り返した。

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