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8話
「あ、でもむつさん…」
「うん?」
ぼんやりとした顔で管狐を撫でていたむつは、どう見ても考え事をしていたようには見えない。祐斗は、むつの集中力は切れてるなと苦笑いを浮かべてしまった。
「凪君は竹筒で管狐を呼び戻すとかって言ってたじゃないですか。あの時…だから、管狐がここに居るって事は凪君竹筒置いていってるのかもしれませんよ…もし、持ってたとしたら管狐が戻る時について行けるかもしれませんけど」
「…それはあたしも思った。でもさ、使いこなせてる感のない凪君に…もし、凄く距離が離れたとしたら?呼び戻すなんて出来ない可能性もあるんじゃない?」
「あ…それもそうですよね」
「管狐が凪君の所に戻りたいって思ってるなら…一緒に行く事は出来るかもしれない」