8話
「うん…ちかが動いてるからね。それにさ、今のうちって社長が1番強いくらいなわけで。だから、その社長を叩いておいたら、後は楽勝じゃん?いくら、あたしと祐斗が邪魔をしたとしても…」
「確かにそうだな。うーん…でも、山上さんも人には強いだろうけど…どうなんだろうな?」
冬四郎がどう思う?と西原を見ると西原は、山上の強さというのにぴんとこないようで、首を傾げていた。
「…まぁいいか。とにかく、むつと祐斗君はどうしたいんだ?」
「あたしは颯介さんのお迎えに行って、社長も探し出す‼」
きっぱりとむつが言うと、冬四郎は頷いた。
「あたしね…社長に何かあったのかなっていつのも思うけど、社長ももしかして勝手に動いてるんじゃないかなって気もしてる」
「…何でだ?」
「社長と颯介さんってかなり付き合い長いんだって。2人にしか分からない事もあると思うし…だから、社長が珍しくも動いてたのかなって。最初から社長が自分から現場に出向くって、かなり珍しい…ってか、初めて見た」
「山上さんが、むつと谷代君をほったらかして1人で動くとも思えないけどな…」
「でも…もし、あたしと祐斗が足手まといだって判断したら…そうじゃない?」