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8話
「そうか…それはまぁ…置いといて。何で、胸元にそいつは収まってんだ?ムカつくな」
「でも、颯介さんの管狐もこっから顔出してるよ?それに肩の上じゃ寒いよね」
むつがよしよしと管狐を撫でると、西原はどことなくそれが面白くないという顔をしていた。
「…まぁいいや。で?山上さん連絡つかないって祐斗君から聞いたけど?」
おふざけは終わりと、西原は軽く両手を上げて降参ポーズを見せると、すぐに表情を引き締めた。
「うん…連絡つかない。今日休みでもないのに来てないし、そもそも依頼が入った時に、いくら公休日っても社長が休んだりした事ないもん」
「ってなるとむつの心配は、山上さんに何かあったんじゃないかって事か?」
冬四郎が左記よみするかのように言うと、むつも祐斗も頷いた。だからこそ、家に見に行こうとも思ったのだった。