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8話
「…お?こいつ…昨日、湯野さん所で見付けてきた管狐か?お前が預かってるのか?」
「あ、そうそう。預かってるの。昨日はね、一緒にお風呂入って寝たんだ」
何でか得意気なむつは、胸元から顔を出している管狐を頭を撫でていた。冬四郎も特に気にした様子はなく、颯介の管がではないからか、指先でかくようにしてむつと交代で頭を撫でていた。
「…預かってるって湯野さんの管狐?」
「ううん。凪君の子…置いてきぼりくらったみたいで…颯介さんのマンション寄った時に、この子出てきたの」
「そうなんすよ。社長と宮前さんが管理会社の人と話してる間に、むつさんが見付けて…ネズミだと思って大騒ぎになって、社長と宮前さんからは有らぬ疑いかけられて…大変でした」
祐斗が余計な事を話すと、冬四郎は成る程、と納得したような顔で頷いていた。そして、さっぱり話についていけていない西原に、冬四郎が昨日の事を手短に説明した。