471/1090
8話
祐斗がコーヒーを運んでくると、それと一緒に西原もやってきて、むつの向かい側に座った。祐斗はそんな西原の隣。
「…先輩の方も全然だった?」
「あぁ、悪いな」
「ううん…いいの。お兄ちゃんも先輩もありがと。今ってお仕事中よね?抜け出して来てくれて…でも大丈夫?」
むつの柔らかい声に、冬四郎も西原も頷いた。ようやくむつの機嫌も直ったようだと、祐斗だけは安堵していた。
「むつ、何が…って、お前何だそれ‼」
「え?」
ぎょっとしたように西原は、むつを指差した。人を指差すなと、冬四郎は言いつつも何があるのかとむつを見た。