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8話
『…谷代君、かな?どうしたんだ?一先ず落ち着きなさい』
「あっ…は、はい…すみません」
『うん。それで?何かあったのかな?むつの携帯からかけてきてるけど…』
「社長が…連絡つかなくなったんです。それで、むつさんが宮前さんなら社長の家知ってるかもって事で…」
『…山上さんが?』
「はい…」
『で、むつは?』
「事務所の倉庫で従業員名簿探してます」
冬四郎の声が落ち着いているからか、祐斗も少し落ち着いてきた。だが、焦りは消えない。嫌な事が、思い浮かんでしまったからだった。