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8話
むつの携帯を耳に当て、最初にかけたのは、やはりこういう時に1番頼れそうな冬四郎だった。冬四郎の方が、颯介の事で何が起きているのか、まだ知っていたからというのもあった。
やはりこの時間は仕事をしているからか、冬四郎は電話には出ず留守番電話に切り替わった。しつこいかもしれないが、かけ直そうとすると冬四郎からの折り返しがすぐにあった。
「もしもし‼み、宮前さん!?」
『…あ、あぁ…』
焦っているつもりはなかったが、やはり気持ちは急いていたのか、やや強い口調となっていた。そのせいなのか、冬四郎が困惑しているようでもあった。