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8話
通話を終えたむつは、携帯をテーブルに置く頃には怒ったような無表情になっていた。
「………」
再び、ぱっと携帯を手にしたむつだったが、誰に連絡するでもなくすぐに携帯をソファーに置いた。どことなく、落ち着きのなくなったむつを、管狐がどうしたのかと見上げている。そんな視線に気付いたからか、ふっと息をついて小さな頭をそっと撫でてやった。
「…あたしらも寝よっか?」
よいしょっと言って立ち上がったむつは、管狐を肩に乗せてキッチンに行くと換気扇をつけてタバコを吸い始めた。タバコを吸うむつを、管狐は何と思っているのか、くりっとした目で見ていた。