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8話
「さて…颯介さんの声聞けて安心出来たし。颯介さんはそろそろ休む?」
『そうしようかな…明日は朝早くなりそうだから。でも、祐斗君にも連絡しないと…』
「あ、そうね。祐斗も心配してたよ。口には出さないけど…だって今日、お昼ご飯食べるの忘れてたくらいだもん」
いたって真面目にむつが言うと、電話越しに颯介が吹き出したように笑い出した。祐斗が笑われているのだと分かっても、颯介がそうやって笑ってくれるとむつは嬉しかった。
『そうかい…祐斗君が…分かった。祐斗にも電話してみるよ。まだ起きてたらいいけど』
「大丈夫、起きてるわよ。夕飯食べ過ぎて、きっとすぐには寝れないもん」
『…全く…むっちゃんといい祐斗君といい…むっちゃんに電話してみて良かった。声聞けたら何だかほっとした』
「本当に?それなら良かった」
『うん、ありがとう。忘れないように連絡するから…』
「うん、そうしてね。とりあえず今からは祐斗に少しでいいから声聞かせてあげてね」
『あぁ、そうするよ。じゃあ…おやすみ』
「ん、ゆっくり休んでね。おやすみなさい」