449/1090
8話
『聞いたよ…雪女だけじゃなく凪もか、って思った』
「うん…ちかが、あたしの所に来て教えてくれたの。たぶん、信用できる話だと思うから、かなり用心して欲しい」
『そうかい。ありがとう…』
「ううん…ね、あたしたちに出来る事あったら何でも言ってね?祐斗もきっとそう思ってるから」
『…あぁ、そうさせて貰うよ』
颯介の声を聞きながら、むつは困ったような笑みを浮かべた。疲れきったような声をそうだが、何でも言ってと伝えた所で、颯介はきっと何も言ってこないだろうなと感じたからだ。だが、むつはそう感じたとは言わなかった。
「うん、とにかく…今夜はしっかり休んでね。疲れきった声してるし。明日からも動くのに、そんなんじゃ身体もたないわよ?」
『社長にも同じ様な事言われたよ。飯食って寝ろってさ…そんなに疲れてそうかい?』
「疲れてそうだよ。ってか疲れてるでしょ?」