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7話
「さ、帰ろっか。祐斗、ご飯食べて帰る?」
「あー…そうっすね。そうしましようか。ってあれ?今日って昼飯食いましたっけ?」
「あ…」
むつと山上も今更といった感じで、腹を触った。今日に限っては、誰も空腹を覚えなかったのかもしれない。
「祐斗、むつを連れて飯行け」
「そうします」
山上はおもむろにズボンから財布を取り出すと、札を1枚取り出して祐斗の上着のポケットに落としこんだ。
「奢りだ。行ってこい」
さっさと行けと、山上に背中を押された2人はなかば強引に事務所から出された。