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7話
前回の事から、冬四郎もそれは薄々気付いていた。協力してくれた篠田が襲われたりもしているのだから、可能性としては高い。もしこれを持っていれば、消しにきた者に何をされるか分からないという事を山上は、危惧している。すでに見ているのだから、尚更危険性は高くなる。
「ですね…消しときましょうか」
そう言うと冬四郎は、もう1度見なくても本当にいいかと、むつにねんを押した。むつは、少し考えたようだったが、映像からの収穫はこれ以上望めないと判断してか頷いた。
「はぁ…いい天気だし、洗濯物外に干してきたら良かったかも」
管狐を肩に乗せて、むつは腰をひねって鳴らすと、ゆっくりと立ち上がった。そして、ソファーに座った。待機になると分かって、少し気が緩んでいるのかもしれなかった。