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7話
「お兄ちゃんは…仕事戻る?」
「ん?あぁ…まぁそうだな。他に出来る事あるなら別だけど。あんまり署を留守にしておくのも、あれだからな」
「みやはこれでも係長だからな」
「…あたしは?」
「主任。おれは課長で祐斗は係ってやつだ」
「…どの面子でも、あたしと祐斗は下っぱね」
「まぁ…そうなるな。そのうち祐斗のが強くなるから、むつが本当の下っぱになるな」
からかうように山上が笑うと、むつは唇を噛んだ。何がそんなに悔しいのかは分からないが、どうにも負けず嫌いが出てきているようだった。
「ま、それはいいとして…みや、この映像は破棄しておけよ」
「…ここに置いておかなくていいんですか?」
「いい。わざとにしても何にしても、あいつが映ってたんだ。用心して消しといた方がいいだろ…俺たちが持つにしてもお前が持つにしても…安全な物じゃねぇよ」
ちかげの居る組織がどんな物なのかは分からないが、かなり手強く警察内部にも関係者が居そうだとにらんでいるのは、どうやら山上だけではない。