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7話
「…颯介さん出ない。携帯持ってないのかしら?やっぱ管狐にお願いして、あっちこっち行ってるのかなぁ?」
留守番電話に切り替わったのか、むつと祐斗はがっかりしたような顔をしていた。
「どうだろうな?でも、何となく管狐には頼りたくない雰囲気だったからな」
「…そうね。ね、これからどうする?凪君の居場所分からないから下手に動けないし…待機?」
「どうすっかな…とりあえず待機だな。湯野ちゃんから連絡あれば、いつでも動けるようにはしておけよ」
「はーいっ」
むつと祐斗が揃って返事をすると、山上は笑みを浮かべて頷いた。そして、冬四郎の方を見た。
「お前も昔はこんだけ素直で可愛かったんだぞ?今じゃすっかり…はぁ…」
「…何なんですか?」
「何でもねぇよ。時の流れってのを染々感じてたんだ」
それは成長なのでは?と聞きたかった冬四郎だったが、そこは何も言わなかった。