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7話
「そういうわけだから、むつ。湯野ちゃんに電話して…って、もうしてるか」
頷いたむつは、すでに携帯を耳に当てていた。颯介が出るか気になってか、祐斗は携帯の反対側から耳を当てていた。
「湯野ちゃん居ねぇとさ…まとめ役居なくって大変なんだよな。保父さんであり、長男だからな」
「…山上さんは結婚もまだなのに子沢山で大変そうですね。今回は2人に振り回される役ですか?」
「2人?」
「湯野さんとむつ」
「そうだな…そのうち、祐斗にも振り回されて…俺は事務所で留守番役篦はずなんだけどなぁ。それより、みや…お前むつのカレー食べた事あるか?」
「たまには身体動かしてくださいよ。って…何ですか急に?カレーはありますよ、何回も」
「やっぱり、あれか?変わったの入ってて辛いのか?」
「…落花生入ってた事ありました。で、いつも辛いですけど…山上さん辛いのダメでしたっけ?」
「…西原もそれは言ってた。やっぱり、カレーの時は何か起きるんだな」
ふむふむと、よく分からない納得をしている山上に、冬四郎は首を傾げるしかなかった。