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7話
雪女を探して、颯介の管狐の後を追っていった山の最寄り駅の改札部分の映像が映し出されると、むつと祐斗は画面に顔を近付けた。
映し出された画面を見ながら、むつは管狐を撫でていた。第一印象は、お互いによくはないはずだが、今となってはそんな事はつゆにも感じさせない。
「居たっ‼」
間違い探しでもするかの勢いで、むつは画面を指差した。冬四郎がすぐに一時停止を押すと、そこには凪が映っていた。
「…早いな」
少し悔しそうに山上が言うと、むつは得意気な顔をした。同じように1番前で見ていたはずの祐斗も、負けたとでも言いたげな顔をしている。何の勝負をしているんだ、と冬四郎は呆れたが、確かにむつは早かった。