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7話
祐斗の声に反応してか、管狐はこくりと頷いた。ちゃんと話が分かっているようだ。
「賢いわね。それで何を伝えたいのかしら?」
誉められた管狐は、真ん丸な目をさらに丸くするようにしてむつを見ていた。その反応からして、そんな風に誉められた事がなかったのではないかと、思わせられる。
「なぁに?どうしたのかしら?」
どうして出てきたのか、とむつが聞くと管狐は、はっとしたようにぷるぷると首を振った。そして、パソコンの画面の方を向いて、またすぐにむつを見た。
「…交互に見られても…それだけじゃ分からないのよね。ごめんね…うーんっと…何だろ?何だと思う?」
分からないと言われた管狐は、身体を持ち上げて鼻先で画面に触れている。そして、再びむつを見た。
「何でしょうね…その女に反応を示してるようですけど…管狐、その女は知り合い?」